リピート系に成行注文を用いることの効果 の検証記事です!
Canaryは、
リピート系においては「指値で全く滑らない」よりも「成行で滑る」が有利なのでは!?
と、その実証を行いました。
GdTrader はトラリピ型 (=リピート系) のEAですが、リピート系で一般的な指値注文は使わず、全注文を成行で行っています。
本記事は「ポジディブスリッページが発生しない指値注文」と「成行注文」とでどちらが有利かを比較したものになります。
【実証内容】
EAに GdTrader を使用し、
「待機価格(=指値注文の指値に相当)と実際の約定価格とのpips差」
⇒ どれだけ滑ったか
を一定期間計測、時系列及びプラス/マイナス/同値の比率でグラフ化しました。
※青:プラス=有利な方向に滑った、赤:マイナス=不利な方向に滑った、黄:同値=滑らなかった
[時系列分布]

[プラス/マイナス/同値の比率]

項目 | 内容 |
---|---|
EA | GdTrader |
FX業者 | OANDA Japan |
口座 | MT4デモ口座 |
期間 | 約1ヶ月 (2020/6/10~7/9) |
通貨ペア | USDJPYロング |
総取引回数(往復) | 863回 |
滑り幅最大値 | +13.3pips |
滑り幅最小値 | -7.9pips |
滑り幅平均値 | +0.166pips |
有利な方向に滑ったことを示す青が赤の倍以上あり、また滑り幅の平均値も『片道あたり+0.166pips』とプラスになりました。
- 「有利な方向に滑らない既存リピート系サービス」は全て黄色相当 (=待機している価格と約定価格が同値) ですので、それより 成行注文が有利であった と言えます。

でも、なんで五分五分じゃなくて青 (=有利な方向に滑る) が多くなるの?
「ロングポジションの決済注文」を例に取ると、決済注文を実行する条件は現在価格が待機価格以上に上昇した場合です。
決済時の短期的なモメンタム (=勢い) は上方向
↓
そのタイミングでの成行注文なので、決済価格は待機価格より上 (=有利な方向に滑った) が多くなった!
【フォワード比較】
2021/3/10より、XMのデモ口座2つを使って 成行/指値の性能フォワード比較 を開始しました。
詳細取引内容は各リンク先で確認可能です。
XMはOANDAとは異なり「指値が有利な方向にも滑る」業者ですので、①(=成行)・②(=指値) 共に、平均で80.0pipsを上回ることを想定しています。
その上で、①と②のいずれが有利かを長期でフォワード比較していきます。

2021/3/31時点では、①・②で成績にほぼ差はないです
なお、①・②共通の計測条件は以下の通り。
項目 | 内容 |
---|---|
ブローカー | XMTrading |
口座 | MT4デモ口座 |
期間 | 2021/3/10~継続中 |
通貨ペア | USDJPYロング |
ロット数 | 0.01 (1000通貨) |
利確幅 | 80pips |
レンジ | 98~120円 |
トラップ幅 | 10pips |
【まとめ:リピート系の成行注文は有利!】
リピート系に成行注文を使えば「有利な方向に全く滑らない既存リピート系サービス」より有利 であることを示すデータが取得できました。
滑り幅の片道平均は +0.166pips でしたので、『往復で+0.33pips上乗せ』となり、これはもし利確幅が30~40pips程度であれば 1%程度の利益上乗せ になります。
- 取引回数の多いリピート系において、1%は小さくない数値 であることは (特に運用経験のある方には) 同意頂けるのではと思います。
- 例えば、Canaryは「すくリピの実運用」で月平均で往復800回程度取引を行っていますが、「往復で+0.33pips上乗せ」を単純に当てはめてみると 成績が月平均で+264pips程度向上している 計算になります。

いずれ他のFX業者 / 他の通貨ペアでもデータを取り、もう少し突っ込んで検証したいと思っております。それでは!
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